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zoom RSS 香住春吾「見合令嬢」

<<   作成日時 : 2016/01/24 03:37  

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五年ぶりに書きます。
以前とは、少し形式を変更して。


論創社の論創ミステリ叢書の12月刊行分は、93の『香住春吾探偵小説選T』でした。

冒頭は、ユーモア・コント「見合令嬢」。
1948年3月号『新青年』に香住春作名義で発表された作品で、単行本初収録とのこと。
ほんの数ページのショートショートともいえる作品だが、なかなかよくできている。

鉱山王の娘・佐竹都留子は年齢23才。明朗快活の典型的な美人。
巨万の財産に恵まれるが、天涯孤独。
三十回以上の見合を繰り返す令嬢。
という設定。

プロフィールは申し分のない彼女に、実は盗癖があって……

というお話。


オチはちょっと見えなくはないんだけど、読んでいて何となく覚える違和感、不合理が結末できちんと回収されるので、なかなかうまく作られていると思う。

また、その動機の部分においても、構造的に今の新本格に近似している部分があって興味深い。

ユーモアミステリは、あまり得意ではないのだけれど、横井司の解説で引用される水谷準が言っているように、ユーモア、お笑い、コントとミステリとは構造的にも技法的にも通じるものがあると思う。

〈ユーモア小説はもともと探偵小説的手法を大に必要とする。『意外』から笑ひを引き出すために、いろいろ工夫をするのだが、『意外』は探偵小説でも重大な一要素である。〉(水谷準「ユーモアやぁい!」、『ぷろふいる』1933・12)

ミステリの意外性は落語や漫才のオチに相当するだろう。
それ以外にも、都筑道夫がよく用いたダブル・ミーニングはダジャレと類似しているし、事件の謎と名探偵の謎解きは漫才のボケとツッコミに構造的に似ているのではないか。
このあたりは笠井潔の構造論にもつながってゆくように思うのだけど。


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